福井県鯖江市に本店を置くjig.jp(東証グロース:5244)は、日本初となるプラスチック製ウェイブガイド光学技術を搭載した一般消費者向けARグラス事業に参入します。2026年4月以降の本格販売開始を見込み、拡大が予測される世界ARグラス市場(2035年に1,153億米ドル規模、2025~2035年の年平均成長率19.1%)で先行ポジションの獲得を狙います。
ARグラスは、眼鏡型のフレームに組み込んだ光学技術で視界上に文字や画像を重ねて表示する拡張現実デバイスです。今回採用するウェイブガイド方式は、レンズ内部で光を導いて映像を投影する仕組みで、軽量かつ日常使いに適した表示を実現します。特にプラスチック材料を用いたウェイブガイドは量産しやすく、金属やガラスに比べ軽く安全性も高いとされます。
同社は、国内で唯一ウェイブガイド光学技術を持つCellidと、眼鏡の一大産地・鯖江でデザインと製造実績を持つボストンクラブと連携し、「普段掛けの眼鏡の延長」として日常的に使えるデザインと軽さの両立を図ります。機能面では翻訳表示、テレプロンプター、通知・スケジュール表示、生成AI連携など、生活の利便性向上に直結するソフトウェアを自社開発する計画です。
国内市場では、軽量性・ファッション性・日本語対応の3点を同時に満たす製品が不足しており、本格的な競争環境がまだ整っていないと指摘されています。jig.jpはまず国内での普及を優先しつつ、鯖江ブランドを前面に出した海外展開も視野に入れています。2026年3月期業績への具体的な影響は精査中ですが、同社は次世代ウェアラブル領域への事業拡張を通じて、中長期的な成長基盤づくりを進める方針です。
source: PR TIMES
