太陽光発電大手のLONGi(中国・西安市)は2025年11月、ブラジル・ベレンで開かれたCOP30に合わせ、「2024-2025 気候変動対策ホワイトペーパー」と同社初のTNFD報告書を公表しました。2024年の事業電力に占める再生可能エネルギー比率は47.5%としています。
気候変動対策ホワイトペーパーは4回目の包括的報告書で、研究開発から製造、物流、製品利用までバリューチェーン全体の脱炭素方針と進捗を整理しました。中期目標はSBTiに沿い、2030年までにScope1・2を2020年比60%削減、Scope3は排出原単位52%削減を掲げます。長期では2050年に向け、バリューチェーン全体でネットゼロを戦略目標に位置付け、2024年は省エネや再エネ利用拡大により温室効果ガス排出量を前年から大幅に削減したと説明しています。
初のTNFD報告書では、自然資本に関する財務リスク開示の枠組みTNFDの「LEAPアプローチ」で、生物多様性・森林・水資源などのリスクと機会を整理し、ガバナンスや戦略への反映を示しました。TNFDフレームワークへの賛同を表明し「TNFD Adopter」として開示高度化を進め、2050年を見据え生物多様性のネット損失ゼロ、森林破壊ゼロをサプライチェーン全体で目指す方針です。今後は、気候と自然課題を一体で扱う情報開示が広がる中、数値目標の達成状況とサプライチェーン管理の実効性が注目されます。
