Ragate(ラーゲイト)株式会社は2026年1月、SaaS事業に関わる事業責任者550名を対象に、成功指標(KPI)設計とインフラ戦略の実態調査をまとめました。LTV(顧客生涯価値)やNRR(売上継続率)などの指標を体系化し、定期的な改善運用まで「完了」している企業は9.6%にとどまりました。SaaS成功で最も重視する点は「インフラ運用コストの最適化」が22.2%で最多でした。
調査では、KPI設計について「重要性は理解しているが設計はこれから」「指標設計について詳しく知りたい」が21.2%となり、指標の定義や改善サイクル構築に専門知見が必要な点が障壁になっている可能性が示されています。一方、重視項目の上位には「MVP・本番リリースまでのスピード」19.8%も入り、コストとスピードの両立が課題像として浮かびました。
インフラ面では、サーバーレスアーキテクチャの導入済みが7.5%にとどまり、コスト最適化ニーズとのギャップが見られます。検討中・採用予定を含めても22.0%で、「従来型のサーバー運用で、移行は未検討」は11.1%でした。同社は、移行コストや知見不足、ベンダーロックインへの懸念などが導入の障壁になり得るとしています。
また、回答企業の46.0%が何らかの事業フェーズにあり、「新規立ち上げ企画中」「PoC・MVP段階」「SaaS化検討中」の合計は34.5%でした。重視項目では「LTV/NRR等の成功指標に基づく成長戦略」13.5%、「スケーラブルな技術基盤の構築」13.1%も上位に入り、成長局面での指標整備と基盤投資の両立が論点になっています。
今後は、KPIを定義して終えるのではなく運用・改善まで回す体制づくりと、コスト最適化を実装に落とし込む技術選定を同時に進められるかが、SaaSの競争力を左右するとみられます。
