SWCC株式会社は、簡易施工タイプの電力ケーブル「e-Cable(イーケーブル)™」のラインナップを、送電用の高電圧である154kVクラスまで拡大しました。従来より高い技能が必要とされる154kV線路の接続工事で、端末加工の作業時間を従来比約1/4に短縮できるとしています。

電力インフラ市場では、高度経済成長期に建設された設備更新に加え、データセンター増加や再生可能エネルギー導入に伴う送配電網の強化が進んでいます。一方で、電力工事の技能者不足や高齢化が深刻化しており、熟練者に依存しない「スキルレス」な施工技術の確立が課題となっています。同社はこれまで、軽量で耐震性に優れた電力部品「SICONEX®」や、高電圧電力ケーブル接続工事システム「SICOPLUS®」を展開し、66/77kV向けのイージーストリッピングケーブルを2021年から納入してきました。

「e-Cable™」は、ケーブル外周の外部半導電層を専用工具で切り込み、手で剥ぎ取る構造としたことで、ガラス工具などで真円に削る従来工法を不要にしました。これにより、技能習得に要する時間を短縮し、習熟度の低い施工者でも平滑な絶縁体表面を確保しやすくなります。また削り屑が発生せず、剥ぎ取り片のみが残るため、現場の養生作業や廃棄物処理の手間軽減にもつながります。同社は今後、さらなる高電圧クラスへの適用拡大を検討し、「SICOPLUS®」と組み合わせて電力市場における施工能力の維持・強化に貢献すると見込んでいます。

source: PR TIMES

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