TAOKE ENERGY株式会社が岩手県北上市村崎野に開発した高圧系統用蓄電所「岩手北上蓄電所」が、2025年12月9日に商業運転を開始しました。定格出力は1,990kW、定格容量は8,146kWhで、リチウムイオン電池を採用し、約1,000平方メートルの敷地に設置されています。
近年、太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入拡大により、発電量が天候に左右される問題が顕在化しています。その調整役として、電力系統に直接接続して余剰電力を貯め、不足時に放電する「系統用蓄電所」が重要性を増しています。岩手北上蓄電所は、東北エリアで増加する再エネ電源による系統の変動を吸収し、電力需給のバランス調整や周波数維持に貢献すると想定されています。
TAOKE ENERGYは、開発からインテグレーション(機器や制御の一体設計)、建設、投資、運営、アフターサービスまで一括して担う体制を特徴とし、これまでに系統用蓄電所65件を手がけています。このうち5件は特別高圧案件で、39件が2025年度末までに系統連系予定とされています。同社は蓄電所への投資も進めており、将来的な総資産規模は400億円超、総容量は500MWh超に拡大する見込みと説明しています。
今後は、東北エリアだけでなく全国での案件展開を通じて、電力の安定供給と脱炭素社会の実現に向けた役割がどこまで広がるかが注目されます。系統用蓄電市場が拡大する中、同社の全ライフサイクル型サービスモデルが他地域プロジェクトの標準形となるかも焦点となりそうです。
source: PR TIMES
