ライフサイエンス向けクラウド大手のVeeva Systemsは2025年12月3日、製薬企業の営業・マーケティング業務を支援するAIエージェント群「Veeva AI Agents」を、顧客管理基盤「Veeva Vault CRM」と規制コンテンツ管理「Veeva PromoMats」で利用可能にしました。2026年中には治験や薬事、安全性情報、品質管理など6領域向けの追加エージェントも順次投入する計画です。
Vault CRMでは、面談記録からリスクを検知する「Free Text Agent」、音声入力で記録を効率化する「Voice Agent」、面談前に最適な提案内容を推薦する「Pre-call Agent」の3機能を提供します。これによりMR(医薬情報担当者)は、入力作業時間を削減しつつ、顧客インサイトの精度向上を図れます。
PromoMats向けには、MLR(メディカル・法務・薬事)審査前にコンテンツの文法やブランド、規制順守を自動チェックする「Quick Check Agent」と、文書や画像から要約・Q&A・ビジュアル分析を行う「Content Agent」を実装。Modernaなどアーリーアダプター企業は「MLRプロセスの大部分をほぼ手作業なしに近づける」と評価しており、生産性向上を定量化できることが期待されています。
Veeva AI AgentsはいずれもVeevaのアプリケーション内部で稼働し、権限管理や監査証跡を保ったままデータやワークフローに直接アクセスするのが特徴です。企業は標準エージェントの拡張に加え、独自のカスタムエージェントも構築可能で、アクセンチュアやEYなどコンサル企業と連携した導入・業務設計支援も進んでいます。Veevaは2026年にかけて対象領域を広げることで、製薬業界の顧客中心モデルとデジタル変革を加速させる構えですが、効果の度合いは各社の業務プロセス再設計やデータ整備の進捗に左右されるとみられます。
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source: PR TIMES
