フォルクスワーゲンの電動ミニバン「ID. Buzz(アイディー・バズ)」が、2025–2026日本カー・オブ・ザ・イヤーで「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」と「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」の2部門を受賞しました。ID. Buzzは一次選考で「10ベスト・カー」に選出され、最終選考会で輸入車・デザイン両部門の頂点に立った形です。

審査では、国内市場でほぼ唯一となるBEV(電気自動車)のフルサイズミニバンとしての完成度が高く評価されました。バッテリーを床下に配置することで、ミニバンとしてゆとりある居住空間と広い荷室を確保し、ロングホイールベース仕様では最大2,469リットルの荷室容量を実現しています。6人乗りと7人乗りの2タイプを用意し、脱着可能な3列目シートにより多彩なシートアレンジが可能です。

走行性能では、最高出力210kW(286ps)、最大トルク560Nmの電気モーターが後輪を駆動し、電動専用プラットフォーム「MEB」により低重心と良好な重量配分を確保。Cd値0.285(欧州仕様)の空力性能とあわせ、力強さと快適性を両立したモデルと位置づけられました。

デザイン面では、「ワーゲンバス」として親しまれたType 2のヘリテージを受け継いだ外観が高い支持を得ました。大型VWロゴとV字型フロントパネル、ツートンカラーを生かしたフロントマスクなど、ひと目でわかる個性を持ちながら、懐かしさと親しみやすさを両立した点が評価理由とされています。テクノロジー偏重になりやすい時代に、感情に訴えるデザインの重要性を示したとの見方もあります。

今回のダブル受賞により、ID. Buzzは日本市場におけるBEVミニバンという新カテゴリの象徴的存在として注目が高まりそうです。今後は輸入車市場における販売動向とともに、国産各社の電動ミニバン開発やデザイン戦略にどの程度影響を与えるかが焦点となります。

source: PR TIMES

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