岡山大学と信州大学の研究グループは2026年6月19日、可視光応答型光触媒で生じる正孔(プラス電荷)のトラップ状態をType A/B/Cの3種に分類し、浅いトラップ形成が「高活性・長寿命」と結晶欠陥があっても性能が落ちにくい「欠陥耐性」につながる原理を示した。成果は米国化学会誌に2026年3月26日オンライン掲載、4月22日号でカバーアートに採用された(DOI: https://doi.org/10.1021/jacs.6c00026)。
研究では時間分解過渡吸収分光法を用い、光照射で生成した正孔の動きを材料間で比較した。その結果、トラップ正孔の吸収パターンをType A/B/Cとして整理し、可視光応答型で観測されてきた「バンド端近傍の鋭い吸収ピーク」が、正孔が深いトラップに落ちにくく浅い状態にとどまることに由来すると統一的に説明した。正孔は反応を進める担い手で、深いトラップに捕捉されると反応に使われにくい。
背景として、紫外光応答型では格子歪みによる深いトラップが性能低下の一因とされてきた一方、可視光応答型でのトラップ状態の実態は未解明だった。今回、可視光応答型酸窒化物(Type B)や複合酸化物(Type C)では、アニオン分極性や軌道混成により格子緩和が抑制され、浅いトラップが形成されやすいことが欠陥耐性の要因になり得ると位置づけた。
今後は、この分類(Type A/B/C)と浅いトラップ形成の考え方を材料設計指針として、欠陥が残る実環境でも活性が維持される可視光光触媒の開発や、水素製造などへの応用検討が進む可能性がある。
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詳しい研究内容(PDF):https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r8/press20260427-1.pdf
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論文DOI:https://doi.org/10.1021/jacs.6c00026
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