沖縄美ら島財団総合研究所などの共同研究グループは、狩バチ「マルモンツチスガリ」の毒の仕組みを解析し、新規ペプチド・新規タンパク質の遺伝子11種(Cj1-11)を特定しました。毒液主成分の一つCj2ペプチドを化学合成してミールワームに投与し、麻痺作用も確認しています。成果は国際学術誌「Toxins」で公表されました。

研究は2026年9月10日、沖縄県本部町の沖縄美ら島財団総合研究所を拠点に発表されました。毒を生産する器官を摘出し、そこで働く全遺伝子を調べる「トランスクリプトーム」と、含まれる全たんぱく質を調べる「プロテオーム」を統合して解析した点が特徴です。論文は2026年7月13日に受理されています。

同グループは、Cj2が抗菌活性や溶血活性、ニコチン性アセチルコリン受容体(神経伝達に関わる受容体)を制御する活性を示さない一方で、獲物を麻痺させる機能に関わる可能性を示したとしています。マルモンツチスガリはメスがコハナバチを捕らえて毒液で麻痺させ、巣に運んで産卵する生態が知られています。

今後は、アリやミツバチに近い遺伝的背景を持ちながら、狩りの生態に合わせて麻痺ペプチド遺伝子を独自に進化させた可能性の検証が課題になります。多様なハチ毒の役割解明が進めば、生物毒研究の基盤拡大に加え、生物農薬や医薬品開発に役立つ分子候補の探索にもつながるとみられます。

【関連リンク】
論文誌:Toxins
論文名:Integrated Venom Gland Transcriptomic and Venom Proteomic Analyses of the Digger Wasp Cerceris japonica
受理日:2026年7月13日
論文リンク:https://www.mdpi.com/2072-6651/18/7/307

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