帝国データバンクの集計によると、2026年1〜8月に「ガソリンスタンド(SS)」運営事業者が倒産・休廃業・解散で撤退した件数は合計144件だった。内訳は倒産19件(前年差+2件)、休廃業・解散125件(前年同期115件)で、1〜8月として過去10年で最も多い水準となった。
SS経営は人口減少や高齢化に加え、HV(ハイブリッド車)・EV(電気自動車)の普及で燃料需要が弱含む中、セルフ式や大手チェーンとの価格競争が重なり、ガソリン1Lあたりの利益が数円程度にとどまる状況が続く。収益確保には車検、洗車、板金整備、レンタカーなどの「油外収益」が重要だが、地方では商圏人口の縮小により油外サービスの需要も限られやすい。
収益面では赤字の割合が、本社所在地が地方の事業者で4社に1社、首都圏でも2割超にのぼる。過去10年の累計では市場から退出したSS事業者が1700社を超え、撤退の裾野が広がっている。帝国データバンクは年間では倒産・廃業の増加が5年連続となり、年間200件超に達する可能性もあるとしている。
今後は、経済産業省が過疎地など維持が難しい地域で店舗を選定して集中支援する仕組みを模索する一方、地方での電動化進展や整備士など人手不足、低収益が課題として残る。インフラ拠点としての役割と、持続可能な収益力の両立が焦点になりそうだ。



