順天堂の研究グループは、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対するバルーン肺動脈形成術(BPA)について、全国レジストリー(J-SHD)に登録された2021〜2024年の5,403件を解析し、施設・術者の治療件数とカテーテル治療関連合併症の関係を示しました。合併症は751件(13.9%)で、関連死亡は3件でした。
解析では、各BPA実施時点から遡る過去3年間の件数を「施設・術者の経験量」として扱い、BPA関連の全合併症(複合評価)との関連を統計的に評価しました。主解析で施設を3年間150件未満と150件以上に分けると、150件以上の施設は合併症リスクが高い方向の関連を示し、調整オッズ比は1.60(95%信頼区間1.08〜2.36)でした。
一方、件数を連続指標として同一モデルに入れた追加解析では、施設は10件増加あたり調整オッズ比1.03(0.99〜1.08)、術者は10件増加あたり1.02(0.98〜1.07)でした。合併症の内訳は喀血・血痰4.3%、画像上の肺障害7.4%で、重篤例として侵襲的人工呼吸管理6件、ECMO使用7件も報告されています。
CTEPHは肺動脈内の器質化血栓で肺血管抵抗が上がり、息切れや右心不全を来す疾患で、手術不適例などでBPAが選択肢になります。研究グループは、BPAの安全性評価は症例数だけでは不十分な可能性があるとして、患者・病変の選択、手技、チーム体制、合併症評価の統一などを組み合わせた指標の検討が必要だとし、J-SHDの情報制約(病変形態や難易度の詳細など)も踏まえて検証を継続するとしています。
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DOI: https://doi.org/10.1016/j.jacadv.2026.103382
順天堂 公式HP: http://www.juntendo.ac.jp



