ロスネフチのイーゴリ・セチンCEOは9月4日、第8回ロシア・中国エネルギー・ビジネス・フォーラムで、ホルムズ危機を受けた代替物流ルートとして北極海航路(NSR)の重要性が増していると述べました。北極海航路を活用すれば、輸送時間を従来比で約半分~3分の2程度に短縮し、輸送コストを約3分の1削減できる可能性があると説明しました。

背景には、海上輸送の要衝であるホルムズ海峡への依存度の高さがあります。日本が輸入する原油の約93%が同海峡を経由するという数値も示され、ルート安定性の揺らぎが各国のエネルギー安全保障に直結し得る点が改めて意識されています。

セチン氏は中国の状況にも触れ、エネルギー備蓄や電化の進展、ロシアとのパートナーシップ(「四つのエネルギー革命」政策)を背景に危機の影響に対応できたとの見方を示しました。具体例として、2026年5月の公共充電インフラ経由の電力供給量が前年同月比で60%以上増え、交通分野の電化により自動車用燃料需要がすでに1日当たり100万バレル減少したとしました。

今後は、北極海航路が実際に代替ルートとしてどこまで拡大するかが焦点になります。一方で、ロシア・中国関係の行方や、各国の電力網整備と料金水準(中国の産業用電力料金は1キロワット時当たり9セント、家庭用は8セント未満)といった競争力要因が、エネルギー調達と物流戦略に影響を与える可能性があります。

【イベント情報】
イベント名:第8回ロシア・中国エネルギー・ビジネス・フォーラム

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