岡山大学は2026年9月21日、内視鏡用視野確保ゲル「ビスコクリア®」(大塚製薬工場)を用いるGel immersionにより、大腸ポリープの内視鏡切除時にポリープと正常粘膜の境界が従来法より明瞭に識別できると示した研究結果を公表しました。成果は「Journal of Gastroenterology and Hepatology」に2026年7月19日付でオンライン掲載され、DOIは10.1111/jgh.70568です。
研究は岡山大学病院(岡山市北区)の消化器内科・豊澤惇希氏らと、学術研究院医療開発領域(岡山大学病院・消化器内科)の山崎泰史氏が中心となり、富士フイルム株式会社との共同研究として実施されました。内視鏡切除(Underwater Endoscopic Mucosal Resection=水中下で粘膜を切除する手技)において、ゲルを用いたGel immersionと従来法を比べ、可視化の改善を前向きクロスオーバー試験で検証しています。
背景には、洗腸が不十分な状況などで視野が乱れ、境界の判断が難しくなることがある点があります。境界が見えにくいと切除の確実性に影響するため、視野確保の手段を改良することが大腸ポリープの確実な切除、ひいては大腸がんのリスク低減につながる可能性があります。研究資金は富士フイルム株式会社からの資金提供および機材付与によるとしています。
今後は、Gel immersionの有用性がどのような病変や条件で特に発揮されるか、臨床現場での適用範囲や運用手順の整理が進むかが焦点となります。大腸内視鏡治療の質向上に向け、実装面の検討が続く見通しです。
【関連リンク】
詳しい研究内容(PDF): https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r8/press20260819-1.pdf
大学リリースページ: https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1584.html







