東京大学、東京科学大学、岡山大学、JSTの共同研究グループは、タンパク質YheSが翻訳停止(リボソームが途中で止まる現象)時にtRNAを引き出し、翻訳を再始動させる分子メカニズムを解明した。SecM合成中に停止したリボソームとYheSの複合体立体構造を決定し、論文はNature Communicationsに掲載された(DOI:10.1038/s41467-026-72863-1)。
解析では、大腸菌の無細胞翻訳系(細胞外で翻訳を再現する実験系)とクライオ電子顕微鏡(Cryo-EM)を組み合わせ、SecMアレストリボソーム—YheS複合体の構造情報を取得した。加えて、変異体解析と分子動力学シミュレーションにより、構造から示唆される作用点と動きが機構として成立することを検証した。
翻訳停止は細胞内の品質管理や発現調節に関わる一方、産業的には目的タンパク質生産のボトルネックになり得る。今回、停止リボソームからtRNAを取り外す段階が具体的に説明されたことで、翻訳の精密制御や生産最適化に向けた設計指針の構築につながる可能性がある。
今後は、同様の停止解除が起きる他の状況や因子への適用、制御条件の整理を通じて、バイオものづくりでの再現性の高いタンパク質発現制御へ発展することが期待される。
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論文URL: https://www.nature.com/articles/s41467-026-72863-1
研究内容(PDF): https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r8/press20260615-1.pdf
岡山大学リリースページ: https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1557.html
