東京科学大学や熊本大学などの国際共同研究グループは、Sillén(シレン)型オキシ臭化物「Bi1.9Te0.1LaO4.05Br」を新たに作り、233℃で酸化物イオン(O2-)伝導度10 mS cm-1を示したと発表しました。Nature Communications電子版に2026年10月14日付で掲載されました(DOI:10.1038/s41467-026-77848-8)。

この材料は、酸化物イオンが動きやすいイオン伝導層を臭化物イオン(Br-)層で挟む設計で、低温作動の固体酸化物形燃料電池(SOFC)や高温水電解(SOEC)、酸素分離膜など次世代デバイス用の固体電解質を狙います。低温域は「Norby gap」と呼ばれ、従来は酸化物イオン伝導体よりプロトン伝導体が有利と見られてきました。

今回、中性子回折に加え第一原理計算と第一原理分子動力学(AIMD)で拡散機構を解析し、過剰酸素を含むにもかかわらず、酸素空孔を介したO2-拡散で伝導することを実証しました。過剰酸素材料は準格子間機構で動くという従来理解の見直しにつながる結果です。

一方で粒界抵抗が全体の伝導度を制限しているといい、今後は緻密化や粒成長など微細構造制御で全伝導度の向上を図り、単結晶・薄膜化や実セルでの検証を進める方針です。産業界連携を通じた低温作動SOFC/SOECの社会実装も視野に入れます。

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詳細URL https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/sizen/261013

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